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予防接種スケジュール

どのワクチンから接種すればいいの?
-スケジュールの5つのポイント-

上手に予防接種スケジュールを立てるためのポイントを紹介します。

Point1
流行しているVPD、重症になりやすいVPDを優先する

地域で流行しているVPD(ワクチンで防げる病気)や重症になりやすいVPDがあれば、まずその予防接種を優先します。場合によっては、麻しんなど通常の接種年齢になる前から受けた方がいい場合もあるので、かかりつけの小児科医に相談してください。
また、実際の接種時期は、その地域の自治体の方針などの影響も受けますので、NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会がおすすめするスケジュール通りにいかないこともあります。かかりつけ医とご相談ください。

VPDの流行状況、特徴<予防ワクチン>
流行している 新型コロナウイルス感染症 <新型コロナワクチン> ・新型コロナウイルスによる感染症で世界的に大流行し、ワクチン接種をはじめとして感染拡大を止めるための様々な措置が取られている。
・日本では、高齢者のワクチン接種率が高く、新規罹患者の中心はワクチン接種率が低い小児や若者、50代以下の成人で流行がみられる。
・ウイルス変異により、感染リスクや重症度が変化する。
かかる人が多い 百日せき <四種混合ワクチン><三種混合ワクチン> 風しん <MR(麻しん風しん混合)ワクチン> ・20代〜30代を中心に風しんが流行し、妊娠初期に感染した妊婦から難聴、白内障、心臓病などの赤ちゃんが生まれる先天性風しん症候群(CRS)の例が急増している。
・中高生のMRワクチンの接種率が低く、流行がみられる。
水痘(みずぼうそう)<水痘(みずぼうそう)ワクチン>
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)<おたふくかぜワクチン>
・ワクチンの接種率が低く、感染力がたいへん強いため流行している。
たいへん重症 細菌性髄膜炎 <ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン> ・細菌性髄膜炎のほとんどはヒブと肺炎球菌でおこり、ワクチン導入前は、年間800人以上の子どもが細菌性髄膜炎になっていた。
・2つのワクチンを「髄膜炎ワクチンセット」と覚えましょう。
麻しん< MR(麻しん風しん混合)ワクチン> ・日本では2007年に大学生を中心に麻しん(はしか)が流行して、大きなニュースになった。
・2016年、海外渡航者から関西空港の従業員に麻しんがうつった。空港従業員を中心に33人に感染拡大が起こった。
接種できる時期
(月齢)が限られている
ロタウイルス感染症 <ロタウイルスワクチン> ・ロタリックス(2回接種)、ロタテック(3回接種)どちらのワクチンでも初回接種は14週6日までが推奨されている。
・生ワクチンのため、接種後にほかのワクチンが4週間は接種できない。ほかのVPDのワクチンを接種するためには同時接種が重要。
・冬に流行してかかる人が大変多い。
・脳炎・脳症など重症な合併症をおこすこともある
予防効果が1年に限られ、
毎年、接種が必要
インフルエンザ <インフルエンザワクチン> ・主に冬に流行してかかる人は大変多い。
・脳炎・脳症など重症な合併症をおこすことも多い。
流行季節がある 日本脳炎 <日本脳炎ワクチン> ・接種は1年中できるので、季節にかかわらず、3歳になったら接種する。
・蚊の活動が活発になる夏と秋に流行するが、人から人への伝染はしない。
・ワクチンのお陰でかかる子どもは大変少ないが、かかれば治療法はない。
・流行の地域差がある。
ワクチンのお陰で
流行が少ない
結核 <BCGワクチン> ・高齢者は多いが、15歳以下の子どもがかかるのは年間100名に満たない。
・0歳代は重症になりやすいが、かかるのは年間10名以下で、家族内(または接触者)に結核患者がいない場合は、まず発症することはない。

破傷風、ジフテリア <四種混合(DPT-IPV)ワクチン><三種混合(DPT)ワクチン><二種混合(DT)ワクチン> ・かかる人はほとんどいないが、ワクチンを受けてないと、子どもでもかかり、たいへん重症になりやすい。
流行していない ポリオ(小児まひ)<四種混合ワクチン、ポリオワクチン> ・国内では30年以上も野生株によるポリオにかかった人がいない。
・流行が見られない国では不活化ポリオワクチンを使用しており、日本でも2012年9月から導入。

Point2
接種年齢(月齢)になったらすぐに受ける

ワクチンは、それぞれに接種できる月齢や年齢が決まっています。この接種年齢は、VPDにかかりやすい時期とワクチンを安全に接種でき、高い効果が得られる年齢を考慮して決められています。
ワクチンは「受けられる時期が来たら、すぐ受ける」ことが基本です。定期接種の接種期間を「これからいつでも接種できる、この期間内に接種すればいい」と考えていてはダメ。VPDにかかる前に受けなければ意味がありません。かかってしまってからでは遅いのです。これは、予定日より早く、小さく生まれた赤ちゃんも同じです。

Point3
効率的・効果的な受け方を考えて、同時接種を取り入れる

いちど予防接種を受けると、次の接種を受けるまで一定の期間をあけることになっています。ロタウイルスやBCGワクチンなど生ワクチンのあとに別のワクチンを接種する場合は4週間(中27日)後の同じ曜日から、ヒブや小児用肺炎球菌、四種混合(DPT-IPV)ワクチンなど不活化ワクチン(トキソイドを含む)の場合は1週間(中6日)後の同じ曜日からです。同じワクチン同士の場合は、それぞれ決められた接種間隔があるので、ご注意ください。例えば、最初に生後3か月の誕生日にBCGだけを接種してしまうと、ヒブ、小児用肺炎球菌、四種混合(DPT-IPV)ワクチンなどの接種開始が4週間遅れてしまいます。接種間隔や回数を考えて、効率的・効果的に受けられるように接種順序を工夫しましょう。

同時に2~6種類のワクチンを受ける同時接種なら、一つずつ免疫(抗体)を獲得するよりもずっと早く確実に子どもたちをVPDから守れます。受けられるときにできるだけ多くの接種を受ける同時接種は、外国では当たり前の方法です。米国では、生後2か月の赤ちゃんは8つのVPDを予防する5本のワクチンを同じ日に注射して、ロタウイルスワクチンを飲みます。同時に複数のワクチンを接種しても、1本ずつ接種しても、それぞれのワクチンの安全性や効果に違いはありません。
米国では生後2か月から、発展途上国では生まれてすぐに同時接種が行われています。同時接種の安全性は欧米を中心に世界中で調査されていて、安全性が証明されています。これ以上の確かな証拠(エビデンス)はありません。日本の子どもでも調査されていますが、当然のことながら、安全性が確認されています。

同時接種でスケジュールが簡単になり医療機関に行く回数が減ることは、保護者のメリットのように思えます。でも、実は子どもにとってのメリットの方が大きいことをあらためて理解してください。必要なワクチンで得られる免疫は、VPDにかかる前に獲得しなければ意味がありません。1本ずつ接種して、免疫獲得に時間がかかるからといって、病気は待ってくれません。もしも、その間にこわいVPDの犠牲になってしまったら・・・。誰のためのワクチンか、何のためのワクチンか。
ワクチンの目的を考えれば、VPDの予防に必要な免疫を早く、確実に獲得することができる同時接種は、子どもにとって必要な方法であるということをご理解いただけるのではないでしょうか。
日本での同時接種の決まりは、接種年齢に達していれば、組み合わせと接種本数に制限はありません。ただし、厚生労働省は同じ日の接種であっても集団接種と個別接種を同じ日におこなうことは認めていないようです。BCGは今でも集団接種の地域が多いので、四種混合、ヒブ、小児用肺炎球菌などの早期接種の妨げになっています。

Point4
わからない時は早目に医師に相談する

「かぜをひいたけどいつから受けられる?」「アレルギーがあるけど大丈夫?うーん、わからない…。」そんなときは、ひとりで悩むよりかかりつけの小児科医に早めに相談を。お子さんのことも、予防接種のこともよく知っているので的確なアドバイスをもらえます。
保健所や保健センターなどの公的機関では、定期接種や助成制度のある予防接種以外の情報は教えてもらえないことが多く、任意ワクチンを含めてすべての情報を知っている小児科医に相談することをおすすめします。

Point5
「ワクチンデビューは生後2か月の誕生日」スタートダッシュが肝心

赤ちゃんの予防接種は種類も回数も多く、きちんと受けるのはたいへんです。とくに0歳の赤ちゃんは、6~7種類もあり、接種回数は15回以上にもなります。多くのワクチンをタイミングよく確実に受けていくにはスタートダッシュが肝心。初めてのワクチンは生後2か月の誕生日に受けられるように準備しておきましょう。4月25日生まれの赤ちゃんなら6月25日がワクチンデビューの日に決定です。

『生後2か月の誕生日』に受けたいのが、細菌性髄膜炎予防のヒブと小児用肺炎球菌、ロタウイルス、B型肝炎ワクチンも同時接種で受けましょう。

くわしくは『ワクチンデビューは生後2か月の誕生日