ポリオワクチン

生ワクチン(経口)
2012年8月まで定期接種

ポリオ(小児まひ、急性灰白髄炎)を予防するワクチンには、口から飲む(経口)生ワクチンと注射の不活化ワクチンの2種類があります。
日本の定期接種には生ワクチン(経口)のポリオワクチンが指定されていましたが、2012年9月からは注射の不活化ポリオワクチンに切り替わりました。
不活化ポリオワクチンについては、こちらをご覧ください。

生ワクチンと不活化ワクチンのちがい
  生ワクチン(経口) 不活化ワクチン(注射)
世界の使用状況 ポリオの流行している国・地域で使用。 ポリオの流行していない国・地域で使用。
日本の状況 2012年8月末まで定期接種。
接種費用は原則として無料。
2012年9月1日より定期接種。接種費用は原則として無料。
メリット 注射をしなくてよい。
値段が安い。
ワクチンによる小児まひが絶対に起こらない。
デメリット まれ(数十万~数百万回に1回)に、ワクチンを飲んだ人や周りの人に小児まひが起こる。 注射による接種が必要。
値段が高い。
健康被害の公的救済制度がない。
日本では1980年から30年以上、野生のポリオウイルスによる小児まひの患者は出ていません。1960年のポリオ大流行を急速に終わらせたのは経口生ワクチンの功績ですが、生ワクチンは腸の中で増える間に病原性(毒性)を強めることがあります。そのため、頻度は少ないのですが、生ワクチンを飲んだ人や保護者など周りの人に、ワクチンの副作用として小児まひが起こっています。
日本と同じように野生のポリオウイルスの流行していない国々では、ワクチンによる小児まひを防ぐために、1990年代後半から経口生ワクチンを不活化ワクチンに切り替えてきました。日本でもようやく2012年9月1日から不活化ワクチンに切り替わりました。

予防するVPD

接種時期と接種回数

3か月—7歳5か月までに2回接種。1回目と2回目の間隔は6週間以上あけます。

おすすめの受け方

神経が侵されて筋肉がまひするVPDです。日本では30年以上ポリオにかかった人はいないので、かかる可能性はほぼありません。1歳6か月までに2回受けるといいでしょう。1回目と2回目の間隔は、数年間空いてもかまいませんので、集団接種の指定日だからとあせらないで、三種混合(DPT)やBCG、麻しん(MRワクチン)、水痘(みずぼうそう)、おたふくかぜなどを優先しましょう。
ただし、南アジアやアフリカなどのごく一部では現在も流行中です。この地域周辺で生活する予定がある場合は、必ず早目に3回(2回は定期接種、3回目は任意接種)受けてください。

スケジュールを立てる時のポイント

集団接種で行う地域がほとんどなので、日程の確認を忘れずに。
接種時に注意すること
スポイトで口に入れる経口タイプのワクチンです。接種後に吐いた場合、飲み直しが必要です。接種後30分間は飲食をしないでください。
接種後に注意すること
接種後1か月くらいは、ポリオウイルスが子どもの便に混じって排泄されます。便を始末した後はよく手を洗ってください。

副反応

まれに発熱や下痢がみられることがあります。また、非常にまれですが(数十万~百万接種につき1回の割合)、小児まひを発症して、足などがまひすることがあります。
不活化ポリオワクチンは、ワクチンの製造過程でウイルスの病原性(毒性)を完全になくしていますので、ワクチンによる小児まひの心配はまったくありません。

不活化ポリオワクチンは、こちらをごらん下さい。

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