麻しんと同じように子どもの病気と思われていた百日せきですが、最近は大人での感染が目立ってきました。咳が長引いている人がいたら要注意です。時には集団発生することもあります。
三種混合(百日咳、ジフテリア、破傷風)ワクチンが普及し、子どもでの大流行はめったに起きなくなりました。しかし、このワクチンの効果は10年くらいしかもちません。そのため効果が減ったり、無くなった大人達の間に流行するようになったのです。子どもでもかかるのは、ワクチンを受けていない時です。百日咳に罹ったご家族から生まれたての赤ちゃんにうつってしまう場合もあります。かかると大人でも咳が長引いて辛いですが、特に生後半年以内にかかると重症になりやすく、脳障害の後遺症を残したり、命を落とすことさえ起こりえます。
それを防ぐためには、ワクチンが接種可能な生後3ヶ月に達したらできるだけ早く打つことが大切です。海外では既に青年期への百日せきワクチン接種が開始されています。我が国でも早く同じ方法が取り入れられるといいと思います。“3ヶ月になったら三混ワクチンを打とう”キャンペーンも必要ですね。
(太田 文夫)
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