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2023-12-22 12:47:41

東京都内で麻しんの拡大が懸念。大人も、子どももMRワクチンの接種を!

東京都内で複数人の麻しんが報告されました

12月になり、東京都では3例の麻しんが報告されました(東京都感染症週報:2023年第50週)。このうち2例は、1歳児(MRワクチン未接種)と5歳未満(ワクチン1回接種済)の子どもで、1例は50代(ワクチン接種歴不明)の成人です。いずれも海外渡航歴はなく国内で感染したとのことです。今後の感染拡大が懸念されます。

世界で麻しん流行のリスクが高まっています

国立感染症研究所(IASR Vol.44 p136-137: 2023年9月号)によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により2021年は麻しんワクチンの初回接種率が2008年以来最低となり, 4,000万人以上の子どもたちが接種を受けられていません。2022年は世界保健機関(WHO)が分類する6つの全地域で麻しん患者の増加が観察され, 報告された全麻しん症例数は171,431例(疑い症例数は389,049例)でした。2023年6月の時点では, すでに世界全体で100,571例の報告が上がっています。多くの国で患者数が増加し、世界中でより大きな麻しん流行のリスクが高まっています。

人の移動が活発になると感染症が流行します

2023年5月8日以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染対策が緩和され、訪日外国人が増えています。国内外で人の移動が活発になり、麻しん報告数が増加しました(5月8日~7月9日に18例報告)。
日本政府観光局(JNTO)によると、訪日外客数は6月連続で200万人を超え、10月以降はコロナ前と同水準に回復しています。アジア、欧米に加え、東南アジアからの旅行者が増加しています。
訪日観光客の麻しんウイルスの持ち込みだけでなく、年末年始で海外旅行をする人も渡航先で感染することがあります。海外旅行の準備として、大人も子どもも麻しんワクチン(MRワクチン)の接種をしておきましょう。

麻しんを予防するには、MRワクチンの2回接種が必要です

麻しんは、高熱などの症状のほか、重症化して肺炎や脳炎などの後遺症や死亡することもある重大なVPD(ワクチンで防げる病気)です。回復しても、長期の潜伏期間を経て重篤な後遺症(SSPE:亜急性硬化性全脳炎)を発症することもあります。
麻しんの予防には、2回のワクチン接種が必要です。MRワクチンは、1歳と小学校入学前(年長さん相当)の1年間に定期接種(無料)で受けられます。

  • ●小学生以上の子どもや大人の方で、2回接種してない方は、急いでMRワクチンを受けてください。
  • ●1歳のお子さんは、すぐにMRワクチンの接種を受けてください。
  • ●2回目を受けていない年長さん相当のお子さんも急いで接種を受けてください。
  • ●定期接種を受け忘れている2歳以上のお子さんは、できるだけ早くかかりつけ医に相談してください。

 

2023年12月22日
NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会

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