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ワクチンについて

日本vs世界のワクチン事情1
『日本はVPDの輸出国?!』から『麻しん排除国』へ

日本では、2007年に大学生を中心に麻しん(はしか)が流行して、大きなニュースになりましたね。麻しんは、2008年にも流行しました。

2007年の流行時には、修学旅行で日本からカナダを訪れた高校生が麻しんになり、現地の保健当局から全員がホテルで待機を命じられ、飛行機の搭乗も拒否されるという事態が起きました。麻しんの発生率がほとんどゼロに近い先進国では、麻しんは大変危険な病気と理解されていますので、ゼロになる努力を続けているのです。そのために麻しん患者が出ること自体、非常事態なのです。

米国への麻しん輸出国の第1位は日本という不名誉なこともいわれてきました。ワクチンを受けていないため日本で感染して、その潜伏期に海外へ行って、現地で発症して、みんなにうつしてしまうというわけです。

この状況を受けて、2008年から5年間、中学生、高校生への麻しんワクチンの2回目の接種勧奨などにより2009年以降若年層の麻しんは激減しています。2015年には、世界保健機関西太平洋地域事務局により、日本が麻しんの排除状態にあることが認定されました。

排除状態であっても、海外から麻しんウイルスが持ち込まれると未接種の人を中心に小さな流行が起こります。2019年に医療の否定を信条とする宗教団体を発端とする麻しんのアウトブレイクでは49名以上が感染しました。このようなワクチン接種を拒否する“ワクチンヘジタンシー”は、欧米諸国でも麻しんの感染拡大をおこす大きな問題となっています。

欧米などの諸外国に比べて接種率が低い日本

日本ではVPDにかかり、それが原因で重い後遺症に苦しんだり命を奪われたりする子どもが後を絶ちません。2001年に麻しんが流行した時は約30万人がかかり、80人くらいの死亡者が出たとも推定されています。どうしてこんなに患者が多いのかというと、日本ではワクチンの接種率が欧米などの国に比べて低いからです。それは、予防接種の必要性と安全性が国民にきちんと伝えられていないために、安全性などワクチンに対する誤解が多いからだと思います。

世界では、麻しんをはじめとするVPDの撲滅を目指して、ワクチンの接種を積極的に行っています。WHO(世界保健機関)でも、「拡大予防接種事業」を行って、世界各国でワクチンの接種をすすめています。

海外で排除に向かう子宮頸がん、ワクチン接種が低迷する日本

2019年5月、世界保健機関(WHO)が「全世界的な公衆衛生上の問題:子宮頸がんの排除」を公表しました。同年1月に開催されたWHOの理事会では、70か国以上が子宮頸がんの排除に向けた世界的戦略を支持しました。子宮頸がん罹患率の各国間の差が問題視されています。排除としてすべての国で子宮頸がんの罹患率を10万人当たり4人未満にするために、介入目標のワクチン接種率は90%以上、検診率は70%を掲げています。

一方、日本では2010年に公的助成が始まり、2013年4月から定期接種となりましたが、2か月後に積極的な接種勧奨の差し控えが起こり、現在に至ります。現在のワクチン接種率は1%未満です。 世界では、より予防効果が高い9価ワクチンの導入や男子への接種が広がっています。積極的勧奨接種が見送られている日本だけが世界の子宮頸がん排除の動きから取り残されています。

(『日本の常識は世界の非常識』へつづく)