全世界では、約3億人がB型肝炎ウイルスに感染し、それに関わる病気で、毎年約60万人が死亡しています。日本では、B型肝炎ウイルスの感染者は約100万人(約100人に1人)と推定されています。B型肝炎ウイルスに感染し、慢性肝炎になると長期にわたる治療を要し、最悪の場合は肝硬変や肝臓がんなどの命にかかわる病気を引き起こします。
日本のB型肝炎対策は、キャリア(ウイルスを体内に保有した状態)の母親からの感染(垂直感染)予防であり、母子感染防止策が1986年から始まりました。母子感染防止策では、出生直後(12時間以内が望ましい)にB型肝炎ワクチンと抗HBs人免疫グロブリン(HBIG)を注射し、生後1か月、6か月にB型肝炎ワクチンを接種します。
しかし、近年、父子感染や感染経路不明で乳幼児がB型肝炎ウイルスに感染する例が増えており、母子感染予防だけでは、対策が不十分といえます。
B型肝炎は「だれでもかかる可能性のあるVPD(ワクチンで防げる病気)」であり、ワクチンによる予防が重要です。