水痘帯状疱疹ウイルスによっておこる感染力がたいへん強いVPDです。多くの場合それほど重くなりませんが、無視できない数の子どもが重症になり、毎年10名以上が死亡していると考えられています。麻しん(はしか)と同様に空気感染もあり、どこで感染するかわかりません。
ふつう2~3週間の潜伏期の後に、熱が出て、体に虫さされのような赤い斑点が出てきます。1日くらいでそれが水ぶくれになって、全身に広がります。強いかゆみもあります。熱は数日でおさまって、水ぶくれの所も黒いかさぶたがつくようになり、7日くらいでおさまります。ただし、熱が出ない場合もあれば、高熱が続く場合もあります。
軽いと思われるみずぼうそうですが、脳炎や肺炎、皮膚の重い細菌感染症など多くの合併症が知られています。水痘ワクチン導入前の日本では、約3,000人が重症化し、10人以上が毎年みずぼうそうで死亡しています。特に重症になりやすいのは、1歳前、7~10歳以上、アトピー性皮膚炎など皮膚の病気のある人などですが、健康な子どもや大人も重症になるのが問題です。
水痘ワクチン(2014年10月から定期接種・生ワクチン)で予防します。1歳すぐで1回、1回目の接種後3か月たったら2回目を接種します。定期接種になる前の年代の子どもたちも、2回の接種を受けることをおすすめします。
2014年10月の定期接種化によって定期接種対象年齢を中心とした患者数が減少しており、患者数は過去10年間で最も少ない数で推移しています。一方、定期接種対象年齢以上の年長児や成人では入院を要する重症化のおそれがあります。水痘にかかっていない人はワクチンを2回受けましょう。
(2024年4月更新)